今回は、Photoshopの便利なツール「ダスト&スクラッチ」を活用して、
画像の中のゴミを自然に除去する方法を解説します。
では早速始めましょう。
このページの内容
準備
ゴミが気になる画像をPhotoshopで開きましょう。
今回は以下のイワシの群れの画像を参考に進めていきます。
綺麗な画像ではありますが、
ところどころに写っている気泡のボケのようなものが気になるので、
これを消してゆきながら解説していきます。
まずは準備として、背景のレイヤーをコピーします。
※基本的に私は、Photoshopで作業をする際は背景を必ずコピーし、
コピーしたレイヤー上で作業を行います。
この理由は、コピーしたレイヤーと元のレイヤーを作業中に切り替え、
どこをどのくらいレタッチしたのかを後から比較しやすくするためです。
そしてさらに、ごみを除去する作業でもう1つレイヤーを使うため、
背景のレイヤーをもう一度コピーします。
現段階では、3つのレイヤーができている状態です。
ここまで出来たら、準備は完了です。
続いて、「ダスト&スクラッチ」を実際に活用していきましょう。
「ダスト&スクラッチ」でゴミを消していく
一番上のレイヤーを選択した状態で「フィルター」→「ノイズ」→「ダスト&スクラッチ」を開く。
「ダスト&スクラッチ」を開いたら、
「プレビュー」にチェックを入れ、「半径」と「しきい値」を調整してゆきます。
この時のコツは、「半径」と「しきい値」の数値の組み合わせの中から、
後ろに見えている画像の中の消したい部分が完全に消える数値を探り当てることです。
※「半径」の数値は、大きくすればするほど画像がぼけていきます。
「しきい値」の数値は、大きくすればするほど「半径」のボケを保ちつつも画像の細部がはっきりと見えてくる…というような感覚です。
ここは感覚で覚えてゆく部分だと思いますので、何度かいろいろな数値の組み合わせを試してみてください。
今回のイワシの群れの画像では、画像内の気泡は
「半径」:80
「しきい値」:4
あたりの数値で全て消えました。
上記のようなゴミがすべて消える数値を探し出したら「OK」を押します。
ここまでの作業で、気泡(ゴミ)が消えたレイヤーが完成しました。
しかしこのままでは全体的にボケ過ぎてしまっているため、
マスクを活用して”気泡の部分だけ”をぼかしていきます。
「ダスト&スクラッチ」で作ったゴミのないレイヤーの活用
「ダスト&スクラッチ」を適用した「背景のコピー」レイヤーを選択し、
下の「レイヤーマスクを追加」をクリックすると、白いマスクがレイヤーにかけられます。
次に「属性」タブ内の「反転」をクリックすると、白のマスクが黒に反転し、
「背景のコピー」レイヤーに隠れていた「背景のコピー2」レイヤーが見えてきます。
次に、「背景のコピー」レイヤーの黒い「レイヤーマスクサムネイル」が選択された状態で「ブラシツール」を選択します。
筆の色を「白」にし、画像の中の気泡(ゴミ)が気になる部分をなぞると、
先ほどのゴミを消したレイヤーが見えてくることによって、きれいに気泡が消えます。
※「ブラシツール」選択時はショートカットキー「D」ですぐにブラシ色を白に設定できます!
上の画像の状態で一旦ゴミをすべて消すことができました。
最後に、さらに綺麗に仕上げるための仕上げを行います。
「ノイズを加える」をあえて使うことで、自然な仕上がりに
この段階でゴミを除去した画像を拡大してみると、元の画像の部分と「ダスト&スクラッチ」でゴミを消した部分とでは、画像のノイズの乗り具合が違うのが見て取れると思います。
ダスト&スクラッチの唯一の欠点がこの部分で、本来あるべき自然なノイズまで消してしまうのです。
ですので、最後にノイズをあえて足してあげることで画像を自然に仕上げていきます。
「背景のコピー」レイヤーを選択し、「フィルター」→「ノイズ」→「ノイズを加える」を開く。
「プレビュー」にチェックを入れ、「量」の数値を調整し、
元の画像にあったノイズの量に近くなる数値を探して調整する。
今回は「量」:13.93%のあたりで自然なノイズ具合になった。
このような自然なノイズ具合の「量」を見つけたら「OK」を押す。
以上ですべて完了です。
ビフォーアフター
「ダスト&スクラッチ」を使って画像のゴミを簡単に除去する方法、いかがでしたでしょうか。
このスキルは人物の肌レタッチなどでも活用できますので、ぜひトライしてみてくださいね。
ではまた次回をお楽しみに。
関連記事