こんにちは、フォトグラファーのHinoです。
平日は京都で商業写真の撮影、休日は趣味で風景・スナップ撮影をしています。
今回は、
【LightroomClassicの「コレクション」を活用して、場所やプラットフォームに縛られないレタッチ環境を手に入れる方法】
についてお話していこうと思います。
LightroomClassicをガシガシ毎日使っている方でも意外とこの方法を知らない方は多いはず。
この記事を最後までご覧いただき、「コレクション」の活用法を実践していただければ、明日からは「外出先で撮った写真をカフェでPCに読み込んで、移動中のバスでスマホからレタッチ」というような自由なレタッチ環境を手に入れることができます。
しっかり解説していくのでなかなかボリューミーな文量になってしまいましたが、最後まで読んで絶対に後悔はさせません!
では早速解説していきます。
このページの内容
この記事の流れ
この記事は、以下のような流れで進めていきます。
1.こんな環境で写真編集している方のみ使用できる方法です!(知っている方は飛ばしてもOK!)
2.LightroomClassicの「コレクション」ってどんな機能?簡単に解説(知っている方は飛ばしてもOK!)
3.LightroomClassicの「コレクション」を活用して、自由度の高いレタッチ環境を手に入れる具体的な方法
4.「コレクション」の活用法が役に立つシーン3選
5.「コレクション」の活用法のメリットのおさらいと、実はあるデメリットについても解説
このような5ステップで「コレクション」の活用法を徹底的に解説していきます!
前提として、こんな環境で写真編集している方のみ使用できる方法です!(知っている方はスキップ可)
この方法が活用できるのは、以下2点を満たす環境で写真を編集している方です。
①PCでは、Adobeの「LightroomClassic」を使って写真編集している
②スマホやタブレットではAdobeの「Lightroom」を使っている
このような条件となっています。
※「LightroomClassic」と「Lightroom」は、どちらも似た名前ですが、中身やできることが微妙に違うアプリケーションなのです。この記事では、両者を別々のものとして解説していきますね。
現状、AdobeのLightroomとLightroomClassicを手軽に使うには、Adobeの「フォトプラン(20GBクラウドストレージ付き)」がおすすめなのですが、「Lightroomプラン」というプランでは「LightroomClassic」が使えないため、今回ご紹介する方法も使うことができません。ご注意ください…!
各プランの詳細は、以下のAdobeのページよりご確認ください。
https://www.adobe.com/jp/products/photoshop-lightroom/compare-plans.html
LightroomClassicの「コレクション」ってどんな機能?簡単に解説(知っている方はスキップ可)
LightroomClassicを使っている人でも、あまり「コレクション」という機能を理解して活用している人は少ないのではないでしょうか?
かなり大まかに機能を説明すると、
①別の日、別の場所で撮った写真を、ひとつの「コレクション」という単位で自由にまとめることができる
②「コレクション」にまとめた写真は丸ごと同期ができて、PCやスマホなど、Lightroomが入っているプラットフォームであればどこからでも編集ができる
こんな機能を持っているのです。
今回の記事では、上記の②の機能を活用して、「場所やプラットフォームに縛られないレタッチ環境を手に入れる方法」を解説していきます。
LightroomClassicの「コレクション」を活用して、自由度の高いレタッチ環境を手に入れる具体的な方法
ここからは、今回ご紹介する方法について、順を追って説明していきます。
①PCのLightroomClassicに、撮影した写真を取り込む
まずはPCのLightroomClassicに、撮影してきた写真を取り込みましょう。
※ここは基本中の基本ですので、さらりと流していきますね。
Lightroomを起動した状態でPCにSDカードを接続します。すると、自動的にSDカードの読み込み画面が開きます。
読み込みのモードが「コピー」となっていることを確認できたら右下の「読み込み」ボタンを押します。
左のフォルダー欄で、読み込んだ画像のフォルダーが確認できたら次のステップへ進みましょう。
②取り込んだ写真のフォルダから「コレクション」を作成する
では次に、先ほど取り込んだフォルダを右クリックし、「コレクションの作成」を押します。
今回は名前の変更は省略しますが、あとから見返してわかりやすい名前に変更しておくと便利です。
では、右下の作成ボタンを押しましょう。
これでコレクションの作成ができました。
作成したコレクションは、LightroomClassicの左側のタブ「コレクション」にて確認することができます。
確認ができたら、次のステップへ進みましょう。
③作成した「コレクション」を同期する
作成したコレクションの左側あたりに、下の画像のような「左右を向いた矢印」のようなものが表示されています。
このマークが表示されていれば、問題なく同期が行われています。
もしもこのマークが出ていない方は、まずはLightroomClassic右上の「雲のマーク」をクリックし、「同期を開始」をクリックしてみましょう。
この作業をしても矢印のマークが出てこない場合が時々ありますが、その際はLightroomClassicを再起動すると問題なく矢印が現れます。
ここまで行っても、肝心のコレクションの横にこの矢印のマークが出ていないことがありますので、もしもその場合は、下の画像のように空欄になっている部分をクリックしてみてください。
すると、矢印のマークが現れて同期が開始されるはずです。
※時々、「矢印のマークが表示されているのに同期が進まない!」という場面に出くわしますが、この場合もLightroomClassicを閉じてから再度開くことで、問題なく同期が始まります。(LightroomClassic、割と再起動で問題解決しがち…‼︎)
同期の進み具合は、LightroomClassicの右上の「雲のマーク」をクリックした中にある「ローカルアクティビティ」の表示から確認することができます。
ここが「〇〇枚の写真を同期中」という表示であれば、現在はまだ写真の同期中です。
ここが「同期済み」という表示であれば、コレクションの同期が無事に完了しています。
④同期が終わったら、スマホかタブレットの「Lightroom」を確認する
先ほどのステップで同期が完了したら、次はスマホやタブレットなど、アプリ版の「Lightroom」をインストールしているプラットフォームを開き、Lightroomを起動してみましょう。
すると、ライブラリページの下部の「アルバム」というタブの中に、先ほど同期したコレクションがみるみるうちに同期されていきます。
※時々しばらく待っても同期が進まないことがありますが、この場合、一度Lightroomアプリを閉じてから再度開くことで同期が問題なく進行します。
無事にPCのコレクションに入れていた写真が同期されたら、コレクションの名前をタップして写真を確認してみましょう。
あとはこの「編集」画面から写真の色味や明るさの調整など、PCのLightroomClassicとほぼ同等の編集が可能です!
もちろん画像のレーティング(写真に5個までの星をつける)やフラグ(採用、除外などのマークをつける)の設定も「レビュー」という画面からできるため、少し時間が空いたタイミングなどを活用して、SNSなどでアップする写真のセレクトまでできてしまうのです。
そして何と言ってもこの機能の凄さが、スマホのLightroomで編集した内容が、瞬時にPCのLightroomClassicとも同期されるという点なのです。
ですので、「外出先での移動時間に採用カットだけをササっとセレクトしておいて、家に帰ったら、セレクトが完了したPC上のLightroomClassicで本格的な編集を続ける」
といったような流れで、移動中の時間も有効活用しつつレタッチを行うことが出来てしまうのです。
⑤自由な写真の編集環境が完成する!
以上のステップで、場所やプラットフォームに縛られないレタッチ環境を手に入れることができましたね!
それでは、次の項目では「この方法はこんなところで役に立つ!」というシーンを3つご紹介していきます。
「コレクション」の活用法が役に立つシーン3選
シーン1:「外出先で撮影した写真を、隙間時間を活用して帰宅までにレタッチを終わらせたい時」
撮影した写真を、その日の夜のうちに急いで友達に渡したい時ってよくありますよね。
そんな時にはこの「コレクション」の活用法がバッチリ役に立つのです。
以下で具体的な活用の流れを解説していきます
撮影が終わったら、近くのWi-Fiがあるカフェに駆け込む!
↓
コーヒーを注文したらすぐ、持参していたノートPCのLightroomClassicに撮影した写真を全て取り込む!
↓
注文しておいたコーヒーで一服しつつ、その間にカフェのWi-Fiを使って「コレクション」に入れた写真を同期しておく!
↓
コーヒーを飲み終わる頃には同期が完了しているのでカフェを出る!
↓
自宅までの電車移動の時間を使って、同期した写真をスマホのLightroomClassicで編集する!
↓
スマホでレタッチした写真を書き出す!
↓
自宅の最寄駅に到着すると同時に、友達に写真を送信!
とまあ、無駄にスピード感のある撮影から編集までの流れをお届けしましたが、割と現実でもこのくらい急ぐ時があるので、実際本当に活用できます笑
シーン2:「撮りっぱなしでなかなか整理できてない写真を、とりあえず同期しておいて日常の隙間時間でちょっとずつ整理したい時」
「あぁ〜、、この前撮った写真、PCに取り込んだまんまで全然整理できてねぇや〜、、、」という方、割と沢山いますよね…?
そんな方はきっと、PCをわざわざ立ち上げて、PCと向き合いながら黙々とデータ整理をすることに重い腰が上がらないだけなはず。
そんな時こそ、先ほど解説した「コレクション」活用法の出番です。
以下で具体的な活用法をまたまた解説していきます。
まずはちょっと頑張ってPCを立ち上げ、LightroomClassicを起動する!
↓
整理できてない写真のフォルダを一括選択し、右クリックから一気に「選択したフォルダーからコレクションを作成」でコレクションにしてしまう!
↓
一括作成したコレクションを全て選択し、左の方の空欄部分をクリックして同期を開始する!
↓
あとは他の作業でもしつつ、同期完了を待つ!
↓
同期が完了したら、日々の生活の中でいつでもどこでも暇なタイミングを見つけて、ちょっとずつスマホからレタッチを進めていく!
↓
気がついたらデータ整理が完了している!
といった感じで、PCとがっつり向き合わずとも、ちょっとした空き時間にスマホからセレクトやレタッチを進めることができるのです。
これで溜まりに溜まったデータもスッキリするはずです。
シーン3:「PCで本格的にレタッチして、スマホからSNSに写真を投稿する時」
この方法はかなり実用的で、「PCで写真を整理してスマホからSNSに写真を投稿する人」には全員活用してほしいくらいの活用法です。
この方法を使えば、PCでの編集後にスマホからの見た目に合わせてレタッチの微調整もできる上、わざわざ他社のクラウドサービスなどを経由することもなくスマホへの写真の書き出しまで出来てしまいます。
では例のごとく以下で具体例を。
PCのLightroomClassicで写真の明るさや色味、円形フィルターや段階フィルターまで使って本格的にレタッチを行う
↓
レタッチが終わったら、その写真を選択した状態で、LightroomClassicの左側のタブにある「コレクション」という文字の右側の「+」ボタンを押す
↓
「コレクションを作成」を押し、任意の名前をつけたら、右下の「作成」ボタンを押す
↓
「コレクション」の左側の矢印マークの表示が確認できたら、同期が完了次第スマホのLightroomを開く
↓
同期した写真は明るさや色味だけでなく段階フィルターなどの複雑な編集も完全に同期されているが、スマホだと色味の見え方が若干異なるため、微調整する。その後スマホに書き出して保存する。
↓
保存した写真をSNSに投稿する
編集から投稿まで、LightroomClassicとLightroomだけで完結できるのはスマートで便利ですよね。
「コレクション」の活用法のメリットのおさらいと、実はあるデメリットについても解説
メリット
・セレクト・レタッチがいつでもどこでもできるようになる
・PCからスマホへ、スマホからタブレットへといったように、プラットフォームに縛られず自由なスタイルで編集ができるようになる
・SNSへの写真投稿の際も、他社のクラウドサービスを経由することなくスマホに写真を書き出すことができる
・「コレクション」はAdobeのクラウド容量を消費しないため、フォルダを無制限に同期できる!!(初出しの情報ながら、かなり大きなメリットです…‼︎)
と、これまでじっくり解説してきたようなメリットがありましたね。
でも実はデメリットも一部あるため、「コレクション」活用法を最大限活用するためにも、以下で触れておきます。
デメリット
・コレクションで同期した写真は、LightroomClassic以外のLightroom上では「長編が2560ピクセル」と圧縮された小さな画像になってしまう
実はこのようなデメリットがあるのです。
スマホやタブレットのLightroomからは、この縮小されたサイズの画像となってしまうため、あまり極端なトリミングを行うことはできなくなります。
ただ、全くトリミングができないわけではありませんし、2560ピクセルというサイズはSNSに投稿する程度であれば十分すぎるサイズですので、この点は安心して「コレクション」活用法を使っていただけるかなと思います。
・青空など、稀に微妙なトーンのグラデーションが表現しきれないことがある
私自身は気になるほどのこの現象に出会ったことは無いのですが、青空などの繊細なグラデーションのある部分が、スマホやタブレットに同期した写真では「トーンジャンプ」を起こしてしまうことがあるそうです。
※トーンジャンプとは、グラデーションの色味がうまく繋がらず、色の「境目」のような層が写真に出てしまう現象のことです。
このような現象が起こる場合があるため、高精度な現像を要求されるプリントなどで写真を使用する際は、「コレクション」活用法を使った場合でもPCのLightroomClassicで書き出しを行う必要があります。
これらのデメリットは把握した上で、メリットを最大限活用していきたいですね。
まとめ
1.こんな環境で写真編集している方のみ使用できる方法です!
①PCでは、Adobeの「LightroomClassic」を使って写真編集している
②スマホやタブレットではAdobeの「Lightroom」を使っている
上記の2点を満たしている方のみ今回の方法が使用できましたね。
2.LightroomClassicの「コレクション」ってどんな機能?簡単に解説(知っている方は飛ばしてもOK!)
①別の日、別の場所で撮った写真を、ひとつの「コレクション」という単位で自由にまとめることができる
②「コレクション」にまとめた写真は丸ごと同期ができて、PCやスマホなど、Lightroomが入っているプラットフォームであればどこからでも編集ができる
このような機能がコレクションにはありますが、今回の記事では②の方法について詳しく解説を行いました。
3.LightroomClassicの「コレクション」を活用して、自由度の高いレタッチ環境を手に入れる具体的な方法
①PCのLightroomClassicに、撮影した写真を取り込む
②取り込んだ写真のフォルダから「コレクション」を作成する
③作成した「コレクション」を同期する
④同期が終わったら、スマホかタブレットの「Lightroom」を確認する
⑤自由な写真の編集環境が完成する!
上記の簡単な5ステップで「コレクション」活用法を使うことができます。
4.「コレクション」の活用法が役に立つシーン3選
シーン1:「外出先で撮影した写真を、隙間時間を活用して帰宅までにレタッチを終わらせたい時」
シーン2:「撮りっぱなしでなかなか整理できてない写真を、とりあえず同期しておいて日常の隙間時間でちょっとずつ整理したい時」
シーン3:「PCで本格的にレタッチして、スマホからSNSに写真を投稿する時」
主にこんなシーンで活用できましたね。
5.「コレクション」の活用法のメリットのおさらいと、実はあるデメリットについても解説
メリットは以上でも解説した通りでしたが、
デメリットとしては
・コレクションで同期した写真は、LightroomClassic以外のLightroom上では「長編が2560ピクセル」と圧縮された小さな画像になってしまう
・青空など、稀に微妙なトーンのグラデーションが表現しきれないことがある
このような点がありました。
デメリットも理解して、メリットを最大限活かしていきましょう!
最後に
今回の【Lightroomの「コレクション」を活用して、場所やプラットフォームに縛られないレタッチ環境を手に入れる方法】についての記事はいかがでしたか?
この方法はシンプルでかなり便利な方法なのに、まだまだ知られていない機能であるのが勿体無く感じていました。
この記事をきっかけに「コレクション」活用法を習得し、皆さんのレタッチライフがより自由なものになればこの上なく嬉しいです。
ではまた次の記事で。
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