【Lightroom】HDR合成を行う方法と撮影時の注意点 

 

 今回はLightroomでHDR合成を行う方法と撮影時の注意点をご紹介いたします。 

 

 




HDR合成とは(知っている方はスキップしてください!) 

HDR合成とは、明暗差の激しいシチュエーション(明るい空と逆光で日陰になっている建物など)で、 

「一枚の画像では、明るい部分に露出を合わせたら暗い部分が黒つぶれする! 

暗い部分に露出を合わせたら明るい部分が白飛びしてしまう!」 

というような、どうにも困った問題を解決する手法なのです。 

 

具体的にどのような処理なのかというと、 

明るさを変えた数枚の写真(暗い写真・普通の明るさの写真・明るい写真)から、 

 

 

白飛びしやすい空

→暗い写真の白飛びしていない空を 

 

黒くつぶれやすい建物

→明るい写真の黒つぶれしていない建物を 

 

それ以外の暗くも明るもない部分

→普通の明るさの画像から部分的に 

 

 

といったように、複数の画像からいいとこどりをして一枚の画像に仕上げるという処理を行っているのです。 

 

 

ざっくりとHDR合成の仕組みをご理解いただけたところで、次のステップに進みましょう。 

 

 

撮影時の注意点 

可能な限り、三脚を使って撮影する

数枚の写真から一枚の画像を合成して作るため、できるだけカメラを動かさずに撮影することが理想です。 

そのため、三脚が使える場合は三脚を使用して撮影を行いましょう。 

 

しかし、LightroomのHDR合成機能はかなり強力で、 

手持ちで撮影した画像でもかなりの確率でうまく合成してくれるため、 

三脚がない状況でも露出違いのカットを積極的に撮影しておきましょう! 

 

 

もし手持ちでしか撮影できない状況であれば、できるだけシャッタースピードを上げて手振れしないように注意して撮影を行ってください。 

 

露出(画像の明るさ)を変えた写真を撮影する 

まず、HDR画像には露出違いの画像が数枚必要です。 

私は普段、よほど明暗差の激しいシチュエーションでない限り、露出を変えたカットを3枚撮影するようにしています。 

 

暗いカット、中くらいの明るさのカット、明るいカットの露出幅は、 

いつもおおよそ「2段分」ほど段階を設けて撮影するようにしています。 

(1段の露出幅だと、中間の明るさのカットをレタッチしても同じくらいのダイナミックレンジを再現できてしまうため。) 

 

 

これは一番暗い露出のカットです。このカットは空などの白飛びしやすい部分の合成用として使用するため、撮影時にヒストグラムを確認し、白飛びしていないかに注意して撮影を行いましょう。 

 

中くらいの明るさのカットは、明るくもなく暗くもない部分用のカットです。
このカットは、一番明るいカットと一番暗いカットを滑らかにつなぐための繋ぎのようなカットだとお考え下さい。 

 

一番明るいこのカットからは建物などの逆光で黒くつれてしまう部分を合成用として使用します。このカットでもヒストグラムに注意して暗い部分が黒つぶれしないように撮影を行いましょう。 

 

 

以上で合成用の素材カット3枚の撮影が完了しました。 

 

次はいよいよlightroom上での合成作業です。 

 

 

 

Lightroomでの合成作業 

先ほど撮影した三枚の画像をLightroomに読み込んでください。 

読み込みが完了したら、合成する三枚の画像を複数選択し、右クリックから「写真を結合→HDR」を選択してください。 

 

 

 すると、HDR結合プレビューの画面が表示されます。 

 

 

この画面内に設定項目がいくつかありますので、それぞれの設定について解説していきます。 

 

 

「自動整列」 

この項目は、 

合成する3カットの位置が微妙にずれている場合にLightroomが自動的にずれを判断し 

それぞれの位置が合うように画像を並べ替えるためのものです。 

 

ですので、 

 

手持ち撮影の場合

→チェックを入れる(位置が若干ずれていることが多い為)  

 

 

三脚撮影の場合

→チェックを外す(位置がずれていない為)

 

 

という判断でチェックの有無を決定してください。 

 

 

「自動設定」 

この項目にチェックを入れると、HDR合成後の画像が自動的に色補正されます。 

ですので、 

 

色補正は自分で行いたい

→チェックを外す 

 

 

色補正まで自動的に行ってほしい

→チェックを入れる 

 

 

という判断で、チェックの有無を決定してください。 

 

 

「ゴースト除去量」 

撮影した画像の中に 

・人 

・風に揺られる木の葉っぱ 

・車 

などの「動くもの」がある際、ゴースト除去をせずに合成すると、 

半透明のゴーストが発生してしまいます。 

 

ゴースト除去を行った画像と行っていない画像の比較をご覧ください。 

ゴースト除去を行っていない画像→人が動いた軌跡がゴーストになってしまっている。 

ゴースト除去を行った画像→人の軌跡にゴーストがない。 

 

 

このような差が出てきます。 

ですので、 

 

画像内に動くものがある場合

→「弱・中・強」のどれかに設定する 

 

 

画像内に動くものがない場合

→「なし」に設定する 

 

 

という判断で設定の有無を決定してください。 

 

 

「スタックを作成」 

これにチェックを入れると、 

・HDR合成に使った3枚の画像 

・HDR合成後に完成した新たな1枚の画像 

が1つのスタック(グループ)としてライブラリに表示されるようになります。 

 

 

チェックを入れておけば、 

後から見直したときに、どの画像を合成してHDR 画像を作成したかが分かりやすくなります。 

 

 

 

以上の項目の設定が完了したら、「結合」をクリックしHDR合成を行います。 

 

以上でHDR合成は完了です。 

 

 

画像の仕上げ(レタッチ)を行う 

上記で完成した画像を見てみましょう。 

このように、 

明るい部分(空)が白飛びしておらず、 

暗い部分(逆光の建物)が黒つぶれしていない、 

ダイナミックレンジの広い(階調を多く含み、色補正がしやすい)画像となっています。 

 

HDR画像の強みを生かして、 

白飛びしていない空の色味を強調し、 

黒つぶれしていない建物のディティールを明るく強調した画像がこちらです。 

 

HDR画像は、豊富な色の階調を持っているため、 

上記のような大胆な色補正を行うことが出来ます。 

 

 

最後に 

 

今回は LightroomでHDR合成を行う方法と撮影時の注意点をご紹介しました。 

逆光や露出差の激しい場面での撮影など、今までは 

「白飛び、黒つぶれしてしまうから・・・」 

と諦めてしまっていたシチュエーションでも 

HDR合成を前提に露出違いの画像を撮影しておけば撮影の幅を増やすことが出来ますよ! 

 

今回の記事が皆様の役に立てば嬉しいです。 

 

何かご質問などありましたら、以下のコメント欄からお気軽にどうぞ! 

 




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