京都で唯一の村、南山城村童仙房に寺院を構える「高麗寺(こうらいじ)」。
どこを切り取っても韓流時代劇の舞台に迷い込んだかのような、
そんな絶景のあるお寺なのですが、
京都府民にこのお寺のことを聞いても、ほとんどの方が知らないと答える場所でもあり…。
今回はこの高麗寺についてご紹介します。
このページの内容
高麗寺について
概要
高麗寺は1978(昭和53)年に建立された寺院で、宗教法人 曹渓宗総本山高麗寺の総本山です。
京都府内唯一の村である南山城村の中でも、
知らない人も多いといわれている集落「童仙房(どうせんぼう)」という場所に位置しています。
もともとこの場所は、日本に住む韓国人、または在日二世の心のよりどころとして開かれたのだそう。
そのため、寺院には朝鮮王朝を感じさせる色彩のしつらえや絵画が随所にあしらわれています。
高麗寺の見所を写真で紹介
見所①寺院をカラフルに彩る「丹青(ダンチョン)」の色彩
まずこの寺院の魅力を語る上で知っておきたいのが
この「丹青(ダンチョン)」についてです。
高麗寺で見られるこのような色彩も「丹青」の一つ。
丹青とは、韓国伝統の色彩「青色」、「赤色」、「黄色」、「白色」、「黒色」と、
そのそれぞれの色彩を混ぜて作る「間色」を用いて建築や絵画を彩る技法のことをいいます。
境内ではいたるところで美しく鮮やかな丹青を見ることが出来ます。
このような絵も丹青です。
また、丹青はただ美しいだけでなく、
色を塗った部分を防風・防腐し、劣化を防ぎ末永く保存するための効果もあるとされています。
丹青は美しさと機能性を兼ね備えた、非常に理にかなった技法ということですね。
見所②雄大な佇まいで存在感を放つ「大雄殿」
大雄殿とは、中国および朝鮮の禅宗系寺院における「本堂」のことです。
境内に入り、まず正面にこの大雄殿が見えてきます。
真正面から捉えた際の威風堂々とした佇まいは
韓流時代劇でしか見たことがないような、
日本の寺院ともまた一味違った風格がありますよね。
私が訪問した際、大雄殿は閉まっていたため内部を確認することはできなかったのですが、
建物の周辺を歩き、見所①で紹介した丹青の色彩や絵画を眺めるだけでも異文化に触れることができ、
とても満足感がありました。
見所③世界平和の願いが込められた鐘がある「鐘楼堂」
先ほど紹介した大雄殿のすぐ左あたりに、大きな鐘のある「鐘楼堂」があります。
写真では伝わりづらいのですが、この鐘は重さが約9.3トンもある非常に大きな鐘です。
第一印象では、その大きさに圧倒されると思います。
そんな大きな鐘ですが、この鐘は「戦争のない世界人類の永遠なる平和と幸福」を願って鳴らされるのだそう。
いつの日かこの鐘の音が世界に平和をもたらしてくれることを願うばかりです。
鐘楼堂と大雄殿を絡めて面白いアングルから撮影できました。
見所④境内の最も高い場所に位置する「山神閣」
「切妻屋根様式」と呼ばれる、韓民族の伝統的な様式の屋根の建物で、
壁面や軒部分にはやはり見事な丹青の技法を見ることが出来ます。
また、この場所からは境内のほぼ全域と、遠く続く山並みを眺めることが出来ます。
山神閣は小高い山の上に位置する場所で、勾配の急な道を登って辿りつくため、
この景色を眺めながら少し休憩するのもいいですね。
おまけの見所「境内で見つけることが出来るいろいろな動物たちのモニュメント」
これは個人的に面白いと思ったおまけの見所なのですが、
境内にはいくつかの動物の石像を見つけることが出来ます。
駐車場から境内へ続く階段の両脇をよく見ると…
少し怖い顔の狛犬(お寺なのになぜでしょうか…)のような石像が2体。
階段を登り切ったところの左右にある灯籠にはシカのような動物も彫り込まれていました。
大雄殿へ上る階段には…
背中にたくさんの子供を乗せたカエルの姿が。
ざっと見ただけですが、このようなどこか不思議な動物たちを見つけることが出来ました。
このほかにもまだ見つけていない動物がいるかもしれませんので、
皆さんが訪問した際にはぜひ探してみてください。
拝観時間・拝観料・駐車場について
拝観時間
高麗寺に問い合わせたところ、
基本的に境内は開放されており
いつでも拝観可能とのことでした。
事前に連絡をすれば、
住職さんによる案内も受けられるとのことです。
拝観料
拝観無料
駐車場
駐車可能台数は不明ですが、
かなり広い駐車場が境内手前にありました。
高麗寺へのアクセス
〒619-1401 京都府相楽郡南山城村童仙房簀子橋13
車でのアクセス
Googleマップのナビを使用して訪問しましたが、
上記の所在地まで問題なく案内可能でした。
電車とバスでのアクセス
「JR大河原駅」より無料送迎車を利用可能(前日までに要予約)
※詳細は高麗寺ホームページよりご確認ください。
おわりに
今回ご紹介した高麗寺はいかがでしたでしょうか?
韓国に旅行せずとも朝鮮王朝のムードを味わえるこの高麗寺、
ぜひ一度訪れてみてくださいね。
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